インフォサイエンス株式会社

キーパーソンインタビュー

検索所要時間を数週間から数時間に短縮せよ ―― あるプロダクトエンジニアの挑戦

【Logstorage開発チームリーダー】

インフォサイエンスを代表するプロダクトである「Logstorage」。PC、サーバー、ネットワーク機器など、システムが出力するあらゆるログを統合的に一元収集・管理し、視覚的に表示を行なうというパッケージソフトウェアである。

コンプライアンス強化や情報セキュリティの強化が企業使命となった今日において、欠かすことのできない情報戦略ツールとして、ビジネスの現場からの圧倒的な支持を獲得。統合ログ管理ツール分野において2007年から現在まで8年連続出荷本数No.1という実績こそがその信頼を何よりも雄弁に物語っている。
しかし企業におけるITシステムが高度化すればするほど、そこから出力されるログ数は膨大なものとなり、それに比例して検索性は大きくスポイルされることになる。プロセッサの高速化やネットワークの高速化、ストレージの大容量化などにより、そのログ数は初期バージョンの想定よりも数十倍〜数百倍のボリュームに達している。
市場における「Logstorage」の優位性を保つには、根本レベルでの改善が早急に必要であることは言うまでもない。
そこに挑んだのが Logstorage開発リーダーだった。

「数週間から数時間への処理時間短縮」というミッション。

2007年にリリースされた「Logstorage」のVer3.0。その後、2010年のVer3.5.2までリビジョンアップを繰り返し完成度を高めていったのですが、どうしても成し遂げなければならないミッションがありました。
それが「収集ログデータの検索性向上」という課題の克服。

「Logstorage」の検索エンジンは、ファーストバージョン時の設計をベースとしたものであり、当初の想定を大幅に上回る膨大なログを収集・管理しなくてはならない現在においては十分なパフォーマンスを発揮することができません。そのボリュームは当初の10倍〜数十倍にもなり、たとえばあるお客さまのオーダーである数十億件のログの月次データ作成に、数週間もの時間を要してしまいます。
これを10時間以内にまで短縮することを目標に、Ver4のバージョンアップに向けてのタスクフォースを結成しました。

メンバーたちが持つポジティブなパワーを集約させ、大きな推進力を生み出す。

最初に着手したのが、「検索エンジンに関する情報収集および検証作業」です。
これまでのソースをばっさり捨て去り、1からまったく新しい検索エンジンを生み出そうという基本方針を固め、世界中のオープンソースや参考文献を渉猟することからスタート。
我々日本人のほか、フランス人、ロシア人、イギリス人とインターナショナルなメンバーが集っているだけに、予想以上に広い範囲・深いレベルでの収集・調査を実施することができました。
次にそこで得られた情報をチーム内で検証・評価。有用だと思われたものを採り入れたプロトタイプを作っては検証を繰り返し、徐々に目標値に近づけていきました。作業のほとんどはこの部分に費やされたと言っても過言ではありません。

十分に満足のいく性能を実現できたのはタスクフォースを立ち上げてから約2年後のこと。
根本レベルからの開発であったことと、10年先を睨んだ目標を設定しただけに、途方に暮れたことも一度や二度ではありませんでしたが、そのたびにメンバーから建設的なアイデアや意見が出てきて前へ進むことができました。
いずれのメンバーも非常に前向きかつ技術を楽しもうとする姿勢を持つ人間ばかり。そうしたメンバーたちが持つポジティブなパワーのベクトルを一点に収束させ、大きな推進力を生み出すことがリーダーとしての私の使命でもありました。

今後ますます高まる統合ログ管理ツールへの期待。そこで何をすべきか。

結果、2010年5月に目標値をクリアしたVer4.0.0をリリースすることができました。その一ヶ月後にはさらに検索スピードを向上させたVer4.0.1をリリース。これまで「Logstorage」が積み重ねてきた実績・信頼に恥じない、いかなるビジネスの現場にも対応できる製品に仕上げることができたと思っています。

このプロジェクトではリーダーとしてチームを率いたのですが、前述のように優秀な人材に恵まれたこともあり、資料等の渉猟・精査に多くの時間を費やしたものの、技術的な部分で進行を大きく妨げるようなものはありませんでしたね。
リーダーとして強くこだわったのは、そんな彼らが「活き活き・楽しく仕事ができる雰囲気づくり」という部分。そのために私自らが先頭に立って積極的にコミュニケーションを図りましたし、より彼らが技術者として“冒険”や知的探求を楽しめるよう、最終的な責任の所在がリーダーである私にあることをハッキリと示しもしました。
そうしたプロジェクトの環境づくりこそが、Ver4成功の最大の要因であったと思っています。

「サポート体制の強化」という点に関しても心血を注ぎました。
これまでの「Logstorage」では、開発陣がサポート業務も兼務していたのですが、私がリーダーとなってからは専任のサポートチームを編成し、ユーザーからの問い合わせに高いレベルで対応できるようになりました。
これにより、開発側の技術者は開発業務に専念できるようになり、質の高いものづくりが行えるようになりました。

個人情報保護法や日本版SOX法を背景に、統合ログ管理ツールへのニーズは今後より一層高まっていくことは間違いありません。そこで今まで通り「Logstorage」の優位性を保ち続けるべく、Ver4のような10年先、20年先を見越したものづくりを続けていくこと。それがチームリーダーである私の使命であると思っています。